私は実家にいた頃、猫を7匹飼っていました。
ちびたくんを筆頭に、まるで人のように猫にもさまざまな性格があること、猫にもさまざまな好き嫌いがあることを知りました。
たくさんの個性ある猫と生活をしながら心理学の勉強をしていた私ですが、そのとき心理士から「アニマルセラピー」というものを教えていただきました。
なんと、猫と生活しているだけでうつ病を軽減してくれたり、人の心を癒す効果があるんです!
今回は、猫と暮らすアニマルセラピーを紹介していきます!
Contents
アニマルセラピーとは?
さて、まずは根本的な「アニマルセラピー」ってなんだろう?という部分です。
アニマルセラピーを聞いたことない人は多いのはないでしょうか?それもそのはず。
日本ではまだあまり普及していないのがこのアニマルセラピーなんです。
アニマルセラピーとは、その名のとおり動物をつかったセラピー療法のことをいいます。
よく介護施設などで犬や猫などの動物を飼っていることがありますが、その理由の多くはこのアニマルセラピーのための動物たちなんです。
施設で不安のある方を動物たちの自由な姿で励ましてくれる、ということを猫や犬、うさぎたちはやってくれているんです。もちろん無意識ですけどね(笑)
猫がうつ病を癒してくれる
今回はそんな癒しの効果をもつ動物たちから「猫」に視点をおいてお話させてください。
それにも理由があって、最近のペット事情に関係しています。
以前はペットといえば「犬」をイメージする方が多くいました。
しかし、2017年の段階でペットとして飼われている犬・猫 推計飼育頭数全国合計は、1,844万6千頭 (犬:892万頭、猫:952万6千頭)という結果がでました。
この結果は一般社団法人 ペットフード協会で見ることができます。
つまり、いまや犬よりも猫の方が多くの方に飼われているんです。
そんな猫たちにはうつ病を癒す効果を持っています。
動物の種類によって癒しの効果は違うとされています。
そんななか、猫を飼う人が増えた日本。
実は猫を飼う家が増えたのと同時に、近年では「うつ病」で苦しむ人も以前に比べてはるかに増えました。
なんと、日本でうつ病の患者数は110万人を超え過去最多となっているんです。
ちなみに世界ではなんと3億2200万人!!
そして、その闇から救い上げてくれるのは、他でもない猫なのです。
もしかすると私たちは無意識に、うつ病を癒してくれるのは猫なんだと知っているのかもしれません。
世界でアニマルセラピーは「当たり前の存在」
日本ではまったくなじみのないアニマルセラピーですが、世界ではすでに導入している国が多く存在しています。
代表はやっぱりアメリカ。そしてイギリス。
医療最先端なだけあり、うつ病についてもしっかりケアするための知識と治療法はしっかり根付いています。
アニマルセラピーも例外ではなく、アメリカとイギリスが先陣をきって医療として推奨しています。
ちなみに私はアニマルセラピーとして紹介していますが、世界的には「アニマルアシステッドセラピー(動物介在療法)」です。
アメリカやイギリスでは、猫や犬を医療として使用とするといいました。
日本と違いそれができるのは、このアニマルアシステッドセラピーが公的に認められているからなんです。
日本では動物を使用した医療を厚生労働省が認めていないため、「アニマルセラピー」として区別をしています。
はやく認められるといいな…と私自身は思っているんですが、命を扱うことに慎重になりすぎやすい日本ではなかなか難しいのかもしれません。
日本ではうつ病やこころが辛くなったときは精神病院に行きますよね。
そして薬を処方してもらいます。
風邪を引いたときと同じ扱いを受けるわけです。
しかし、アメリカだと薬の処方とは違い、「犬や猫を飼いなさい」という処方をすることが認められているのです。
つまり犬や猫をつかったアニマルセラピーは、世界的にはもう「当たり前の存在」なのです。
日本は医療がとても遅れているといいます。
うつ病自体認識されて認められたのはほんとうに「つい最近」のできごと。
それくらい日本は遅れているのです。
猫と生活するメリットとデメリット
さて、ここまでで猫がどれだけ人の心に影響を与えるのか分かったかと思います。
そして私はここまで「猫が実際にどのようなセラピー効果があるのか?」を一度も書いてきませんでした。
理由はひとつ。デメリットも一緒に知って欲しかったから。
ここから、猫がいかにあなたの心を癒すのかについて説明していきます。
それと同時に、猫と生活していくうえで「面倒くさいなぁ」と感じるデメリットも説明していきます。
猫と生活するメリット

猫の「ゴロゴロ音」は精神安定剤になる。
猫って、なでてもらったり大好きな飼い主のとなりにいるだけで「ゴロゴロ…ゴロゴロ…」とのどから音を出します。
この猫がだしてくれる「ゴロゴロ音」はうつ病に効果絶大だといわれています。
猫がアニマルセラピーとしてうつ病に効果がある最大の理由でもあるんです。
この猫のゴロゴロ音は基本的に、甘えたいとき・嬉しいとき・母子間でコミュニケーションをとるときに出されるものです。
このゴロゴロ音によって、私たちは安心感を覚えるんです。
さらに医学的な話にすると、この猫が出しているゴロゴロ音の周波数はだいたい25ヘルツ。低周波と呼ばれているものです。
実はこの20~50ヘルツの低周波は、人間の緊張をほぐす副交感神経に影響を与える効果があるんですよ。
副交感神経は、疲れた身体を回復させる役割がある神経。
疲労やストレスを修復して元気な状態に戻してくれる効果があります。
さらに免疫力アップも期待されます!
ほかにもこのゴロゴロ音の低周波には効果があります。人は低周波を感じることで幸せを味わったときに得られる「セロトニン」を分泌させる効果があるんです。
猫のゴロゴロ音にこんなにも効果があったとは…。
猫7匹飼っていたときの私の幸せは最高潮だったんですね(笑)
ちなみにフランスでは「ゴロゴロセラピー」とよばれる治療法があるんです。
ゴロゴロ…をずっと聞いて健康になろうっていう治療のようです。
猫は「発達障がい」にも効果がある。
猫をはじめとしたアニマルセラピーは、発達障がいを持った人にも効果があると言われています。
発達障がいを持った人の多くは、「対人コミュニケーション」に悩むケースが多いですよね。
上手にコミュニケーションが取れず孤立してしまう。
そんなとき猫は、障がいの有無も言葉の壁も関係なく信頼関係を築いてくれます。
そんな存在と接することで癒し効果以外にも、障がいそのものの改善ができるといわれているんです。
猫のもふもふを触ることで癒される。
アニマルセラピーでは、動物に触るということ自体が癒しの効果があるとされています。
私たちは、ふわふわしたもの、ふにふにしたものなどやわらかいものを触ると安心感を覚えます。
あなたもふわふわしたものが好きだったりしませんか?
私は好きです。ふわふわ、ふにふに最高です。
猫はそのすべてを兼ね備えた存在。
猫毛と呼ばれるふわっふわな毛並み。
犬よりもはるかにやわらかいふにっふにな肉球。
子猫をおおいに遊ばせ、ハァハァしている子猫のしっとりと汗ばんだふにふにな肉球…。
この猫のふわふわふにふに感は最高にたまらんものがあります。
友達関係がうまくいかなかったとき、仕事から帰って疲れたときよくお世話になりました。
自由気ままな猫を見ることで安心感を覚える。
猫という生き物はご存知のとおり「自由気まま」。
もちろん性格もあるので、犬のようにべったりくっついてくる猫もいますが、だいたいは自由に生きています。
あるときはそばに寄ってきて、「なでて」と言わんばかりに目の前でごろぉんとしたり。
またあるときは絶対に触れない高い棚の上でのんびりくつろいでいたり。
犬とは違い、そんな自由気ままな猫と生活をすることで「こんな風に自分勝手に生きられたら」と思う人は少なくありません。
私もこの自由気ままな猫たちに憧れていました。
そして、それと同時に「私にはできないこと」をやってくれる猫に癒されるのです。
友達関係のようにずっと一緒にいなくてもいい安心感。
職場関係のように行動を見られ注意されることもない。
まさに猫はアニマルセラピーのスペシャリストなんです。
猫の「ご飯の時間」など規則正しく生活できる。
規則正しい生活をするのは散歩がある犬だけ!と思っていませんか?
それは大きな間違い。
猫はご飯の時間やお昼寝する場所、意外と神経質な猫はそこらへんしっかりしています。
さらに猫は自分の欲求に忠実です。
朝ごはんの時間にもしあなたが起きていなかったら。
ベッドの上のあなたになんの躊躇もなく飛び乗って、「ご飯よこせ!」の催促をしてきます。
私の猫たちは必ず飛び乗ったあとに鼻を噛んできました。
誰が教えたのか、みんな鼻を噛むように…。
このように猫に「強制的に」規則正しい生活を強いられます。
夜寝る時間も決められますよ。
「一緒にベッドに入る時間」が生まれるからです。
「寝る時間だぞ。はよ。ベッドいこ。」
と言わんばかりにベッドのある部屋に誘導され、ベッドの上からジーっとこちらを見てきます。
寝る時間もできあがりです。
これが巷で「猫様」と呼ばれる所以かもしれません。
しかし、この「猫様」行為によって規則正しい生活ができるのもまた事実です。
猫と一緒にいることで「ひとり」じゃなくなる。
猫を飼う人の多くは室内飼い、いわゆる「うち猫」にします。
外に出たら危険がいっぱいですから、そのため家のみで飼う人のほうが多いんです。
そんな猫はずっと家にいます。
近寄ってこなくても、なんとなく同じ空間にはいてくれる。
それが猫。
家で孤独を感じていたり、ひとりが寂しいとき猫はいつもあなたと一緒にいてくれるんです。
話さなくてもいいしそばにずっといなくてもいいことから、猫に安心感を覚える人は少なくありません。
我が家でも、家にいるときは寂しいと感じたことが一度もありませんでした。
彼と同棲している今は、彼がいない時間「さみしいなぁ」と感じてしまいます。
そして決まって思うんです。
命の重みを感じることができる。
猫と生活することで、アニマルセラピーの役割とは違いますが「命の重さ」を感じます。
猫は人と違って弱い。はるかに弱い生き物です。
病気にもかかりやすく老衰で亡くなることは本当に少ない。
そんな猫と生活していると必然的に「最期」の瞬間に出会います。
最期の瞬間が見たくないからと、施設や病院に預ける人もいますが私は絶対に離れないであげてほしいと切に願います。
猫はあなたとともに生活してきたパートナーです。
そんなパートナーとのお別れの瞬間、あなたはたくさんの思い出やたくさんの後悔を感じるはず。
そのとき、あなたは命の重さを知るでしょう。
尊さを知るはずです。
私は生まれてからずっと猫と一緒にいました。
猫に育てられた分、育ててくれた猫との最期を何度も見てきました。
飼う前から最期を考えるのは酷だと思うかもしれませんが、私は飼う前だからこそ最期を考えて欲しいです。

猫と生活するデメリット

猫のしつけ問題
猫も犬と同様に、最低限のしつけが必要です。
私の猫をしつけでやったことは
- テーブルの上にのらないようにする
- 人の食べものを盗まないようにする
- トイレの場所を教える
それくらいです。
少ない!と思うかもしれませんが、意外と難しいんです。
youtubeで猫の動画がよくあがっていますが、テーブルの上に普通に座って人の食べものを横取りする動画ありますよね。
人間の食べものは塩分量など、猫の身体に悪いものが基本的に多いです。
これをしっかり理解したうえで、猫にあげるご飯は選ばなくてはいけません。
テーブルの上に普通にのっかってご飯を食べちゃう猫。
しつけがされていないんだと思います。
そうなると、ご飯から目を離した隙になんでも持って行って食べてしまうんです。
まるで野良猫ですよね。
飼い猫としての礼儀を教えてあげなければいけません。
そして猫も犬も、言葉は理解しないので「ダメでしょ!」なんて言葉は通用しません。
身体に教えてあげなければ何度でもやらかします。
基本的には大きな声を出しながら叱ったり。
このメカニズムを構築すると猫は「怒られている」と認識するんです。
猫は静かな場所を好む傾向にあるので、大きな声や音だけでびっくりしてしまいます。
だからこそ大きな声を出すだけで「悪いことだ」と認識させる必要があります。
そして、次第に「これをやったら大きな声出されるぞ…」と猫自身が学習して悪いことをしなくなるのです。
このしつけには大きな問題があります。
「猫が嫌がることをしなければならない」のです。
かわいそう、と理由でやらない甘い飼い主もいます。
しかし人の子どもや犬もそうですが、しつけをされてなくてかわいそうな目にあうのはこの子達です。
猫がどうしてかわいそうなのか?
よそでやっていけなくなります。
旅行行くときに人に預けるなんて不可能です。
すぐイタズラをしてしまう子を快く思うひとなんてどこにもいません。
あなたも、飼ってもいないよその動物や子どもが家に遊びに来て
家じゅうを走り回られたり、ティッシュをむやみやたらにばら撒かれたり、大切にしていた小物を破壊されたりしたら嫌ですよね?
だからこそ、最低限のしつけが必要なのです。
しつけができないなら、飼わないでください。
猫のお世話問題
世界では当たり前のように普及されているアニマルアシステッドセラピーですが、日本ではまだその存在は普及していません。
そのことから発生するのは「猫のお世話はあなたがすること」です。
猫の最期のときまであなたがお世話をするのです。
猫は犬とは違いトイレの掃除もしなくてはいけません。
こまめにやらなければ家じゅうおしっこやウンチの臭いが染み付きます。
ご飯もちゃんとあげなくてはいけません。
面倒くさいからいいや、では済まないのです。
わたしたちよりも弱い生き物だからこそ大切にしてあげてください。
まとめ
猫は、うつ病を癒せるほどアニマルセラピーの効果絶大です。
まだまだ日本では医学として認められてはいませんが、猫や動物たちといることで心が癒されるというのはこのうえない事実です。
実際、私が心理学を学ぶうえで出会ってきた精神科医の人、教授の9割は猫を飼っていました。
飼った理由も皆ほとんど同じ。
「猫は癒しを与えてくれる存在だから」です。
あなたがもし心がつらくて悲しくなったとき、「猫を飼う」ことを頭の片隅にでもおいといてくれると嬉しいです。
そして、これは私の個人的な意見ですが
ペットショップではなく、里親募集や譲渡会、保健所の猫たちと暮らしてみてください。
多くの猫が飼われるようになった今、飼われる猫と比例して捨てられる猫も増加しました。
猫の飼い主になると決めたなら、最期まで責任を持って大切に生活してください。
今日はここまで!
